ピースの又吉さんが芥川賞を受賞したことで有名になった『火花』を読みました。
主人公の徳永は、ある夏の夜に神谷(かみや)と出会う。神谷は芸人としての矜持を徳永に説き、徳永は神谷を先輩として崇めるようになる。
仕事(舞台上)でも、プライベートでも神谷は常に面白いことを追及している。その姿勢に徳永は常に感銘を受けていた。
先輩としての意地から神谷は徳永にご飯を奢ることが常だった。お金がない時は、サラ金からお金を借りて飲食代に充てていたほどだ。
そんな事が常態化し、いつしか神谷の借金は膨大になっていた。
そして、借金に比例するかのように、先輩である神谷を脇に、後輩の徳永の仕事が増えていった。
それぞれを取り巻く環境が変わっても、徳永は神谷を先輩として慕っていた。
それでも、神谷はどんな状況に置かれても、常に全力で面白いと思うことを実践していた。どこまでも「あほんだら」なのである。
最初は読みにくかったけど、終盤はいつしか読み進められるようになっていた。
芸人になったことがないので、芸人の世界とはこういうものなのか、完全なる空想の世界なのかが分からないけれども、ただひとつ、本書の神谷は純粋に「あほ」なのだと思った。
もちろん、いい意味での「あほ」である。
神谷にとって、芸人とは転職なのだろうと思いました。